こんにちは!
暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
この前は、お子様のお話をさせていただくとお話しましたが、今回はお子様の近視抑制のお話をさせていただこうかと思います。
「マイオピン」は、小児期の近視の進行を軽減させることを目的にアトロピンを0.01%配合させた点眼薬です。シンガポール国立眼科センターの研究に基づいて開発されました。
シンガポールというと、みなさんあまり馴染みがないかもしれませんが、眼科先進国で、アジア人に多い近視の研究では、日本ではとうてい行えない世界最先端の研究と診療を行っている場所です。以下は研究内容の一部です。
シンガポール、2018年11月12日(シンガポール時間):シンガポール国立眼科センター(SNEC)、シンガポール眼科研究所(SERI)およびジョンソン・エンド・ジョンソン ビジョンは本日、目の健康に対する今世紀最大の脅威である近視に対処すべく、2,635万米ドル(3,635万シンガポールドル)規模の共同研究を行うことを発表しました。2050年までに、世界人口の半数が近視になると推定されており、うち10億人が失明のリスクの高い網膜疾患を引き起こし得る重度の疾患、強度近視になることが予想されています。
なんと日本円にして約27億円もの大金がこの研究に注ぎ込まれています!
近視について
近視とは光が網膜の手前に焦点があるため、遠くの物を見る際に焦点が合わず、ぼやけて見える状態です。
人は遠視(網膜が焦点より前にあること)で生まれ、成長とともに目が大きくなり網膜は焦点に近づきます。
ところが、8歳から15歳の学童期(特に成長期)に目が奥行き方向に伸びすぎてしまうことが多く、網膜が焦点を越えて後ろに来てしまうのです。
要は目が伸びすぎてしまった状態になります。
近視の原因はまだまだわからないことが多いのですが、家族歴とライフスタイルが関係することが明らかになってきました。
例えば、両親のいずれか、または両者が近視を患っている場合は近視になりやすくなると言われています。
上記のシンガポールの大規模スタディでわかってきたことは
1:学童期に、テレビ、スマートフォンのゲーム、更にコンピューター・ゲーム等に接している時間が長いほど近視は進みやすい。
2:スポーツをするなど、屋外の活動が近視を抑えることがわかりました。
3:点眼薬で近視の進行を抑えられることが実証されました。それが、低濃度アトロピン(品名:マイオピン)なのです。
低濃度アトロピン(マイオピン)には、眼軸長を伸展させる働きのあるムスカリン受容体をブロックする効果があると言われています。
マイオピンの特徴
1:副作用が少ない近視進行抑制薬です
2:近視の進行を60-70%抑制可能とされております
3:眩しさはまずありません
4:近見視力(本を読むなど)に影響を及ぼしません
5:寝る前に一回点眼を行います
6:目薬一本で、両眼約一ヶ月使用できます
7:本製品は正規品であり、GMP(医薬品製造管理および品質管理基準準拠の薬品会社により製造されています)
マイオピンは健康保険適用外ですから、自費診療となります。
一年間で4万円強(税込み)と、それなりに費用がかかりますので、上記をよく理解した上で使用されることが望ましいですが、
特に親御さんの近視が強い場合、将来高度近視になり、緑内障や黄斑変性になってしまったり、
またはコンタクトレンズを常時使い続けるリスクとコストを考えた場合、学童期のみ点眼をすることを考慮いただければと思います。
費用(税込) | |
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初回(診察+マイオピン1ヶ月分) | 5,000円 |
二回目以降(診察+マイオピン3ヶ月分) | 10,500円 |
マイオピンの反響がとても多くなっておりまして、最近お子さんが多くいらっしゃいます。
子供は親御さんの宝であり、社会にとっても宝であり、将来の国家を担う宝です。
「国家」という言葉があるように、私は、日本という国も大きな目で捉えると、一つの家族と考えておりまして、常日頃、誰に対しても、自分の親兄弟に接するつもりで、接しているつもりです。
よって、次代を担うお子さんのために、できることは全てしてあげたいとの思いで、当院の看護師さん・検査技師さん・スタッフ一同、丁寧な検査を心がけておりまして、時間がかかりお待ちいただくこともあります。
どうしてもお待ちいただくこともございますが、当院では皆一人ひとりが全力て自分のできることに取り組んでおりますので、そこのところを汲んでいただきまして、なにとぞご容赦いただければ幸いです。