コラム

2022.09.21

手術等の術前検査に関しまして

こんにちは! 久しぶりの更新となりました。

本日も白内障手術9件、硝子体手術1件(黄斑前膜)、緑内障手術1件無事に終わりました。

 

手術前の検査について、患者さんから、たかだか5分前後の手術に、なぜたくさん検査が必要なのですか?と聞かれることがございます。

 

保険診療の原資は皆様の貴重な保険料ですので、無駄にすることはできません。その枠組みで、手術前の検査については請求できる検査が決まっており、何回検査しても無限に負担が発生するわけではなく、むしろ手術時に必ず必要な検査と考えられるものでも、ローカルルール(地域差があります)により、算定してはならない(とされている)検査もあり、その場合は無償で検査を行っております。

 

以下のようにたくさんの検査がありますが、眼軸長測定に代表される術前検査は、手術前検査で1回しか患者様負担が発生しませんが、当院では最低2回検査を行っております。(2回目以降は請求できません)また、当院では2社の異なる眼軸長測定器を使用して精度を高めております。これももちろん追加料金はかかりません。

 

測定器は一つでも手術は可能です。眼軸長など大事な検査も1回までしか認められていません。コストを時間を掛けて、なんでそこまで回りくどいことをするのでしょうか?

 

なぜか、、、、それはひとえに術後の満足度、精度を上げたいからにほかなりません!

 

手術前の検査には、簡単に言うと以下のものがあります。

 

眼軸長検査 ① OA-2000®による検査 *TOMEY社製

白内障手術を実施するため(眼内レンズ選定)に必要となる眼軸長(角膜から網膜までの長さ)を測定する検査です。以前は、点眼麻酔を行い直接角膜に触れて超音波を使って測定しておりましたが、白内障の手術に必要な眼軸長(眼の長さ)や角膜の丸みや前房深度、水晶体厚みなど多くの部分の測定を目に触れることなく一度に測定します。

光学式眼軸長測定装置 OA-2000

眼軸長検査 ② ARGOS®による検査  *Alcon社製

白内障手術に必要とされる眼軸長を含む生体計測結果のデータは手術計画作成機能に自動で取り込まれます。

乱視管理ツールや眼内レンズ(人工の水晶体)度数の計算式などが搭載されており、眼内レンズや軸(眼内レンズを挿入する角度)などを全世界中のレンズデータ(=ビッグデータ)をもとにして自動的に決定することができます。

データは手術室に送信され、顕微鏡の上に角膜の切開位置、眼内レンズの軸や固定位置などが目の上に表示されます。

(手術をしている私には、スーパーサイヤ人のスカウターのようなもので患者様のデータが顕微鏡に浮かび上がってきます。とはいうものの、分からない方ごめんなさい、、、、)

手術時には術前に撮影した眼球データを手術顕微鏡に取り込む事ができ、正確に乱視軸を決定できます。

コントラスト検査

この検査は、視力がよくても、まぶしいやかすむなど、視力には出て来ない見え方の変化を定量する機械です。

意外と視力が1.0でよくても、見えづらいという方は多いのです。手術が本当に必要かどうかを見極める装置です。

角膜形状解析

角膜の表面と裏側のカーブ、厚み、凸凹などの状態、乱視の有無などを詳しく調べる検査です。白内障手術で入れる人工の眼内レンズの形状を適切に選ぶために、必要な検査です。

TOMEY MR-6000

眼の屈折度数(近視・遠視・乱視など)と角膜(くろめ)の曲率半径(丸みの程度)を赤外線を用いて測定します。また角膜の精密な形状を測定や、空気を用いた眼圧の測定も行えます。1台で多くの測定ができる最新複合器です。

マルチファンクション・レフラクトメーター MR-6000 イメージ

角膜内皮細胞計測

角膜内皮細胞は角膜を透明に保つ役割を持っています。この内皮細胞は、一度減ってしまうと増えることがないため、内皮細胞が少ない場合には手術方法に注意が必要になります。

術後も減少することがあり、継続的な観察が必要で、白内障手術前後に不可欠な検査と言えます。

視力検査

基本中の基本の検査です。矯正した視力検査でも視力が上がらなければ白内障の可能性があります。視力検査をする男の子のイラスト | 無料のフリー素材 イラストエイト

細隙灯顕微鏡検査

細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)は、細い光で眼球を照らして顕微鏡で拡大し、水晶体の濁りを確認します。緑内障とは

眼圧検査

視力障害の原因は緑内障である可能性もあります。眼圧が高ければ緑内障が疑われますので確かめます。非接触で、目に圧縮空気を吹き付けて測定します。

事業紹介 - 製品情報 - | 株式会社トーメーコーポレーション

眼底検査

白内障以外の病気がないか網膜の状態を調べる検査です。瞳孔を目薬で広げてから眼底カメラで目の奥にある網膜を調べます。

当院ではミランテという特殊な広角眼底撮影装置を導入しており、毎回必ずしも瞳孔を広げなくても検査が可能です。

 

 

上記のように、たかだか数分の手術と思われるかもしれませんが、上記のようにしっかり準備をして臨んでおりまして、一例一例真摯に取り組んでおります。

いままでも、これからも、なによりも患者様に喜んでいただけるように、最高を目指して前進するなつみだい眼科を、何卒よろしくお願いいたします。

 

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