黄斑前膜

黄斑前膜とは

目の構造をカメラに例えると、レンズが加齢で濁ってくるのが白内障ならば、黄斑前膜はフィルムに相当する、網膜の中心である黄斑の表面に膜が張り、その膜がフィルムごと絞り込むような力で黄斑を変形させ、分厚くなったり、皺がよったりします。

症状は、ものがゆがんで見えたり(変視症、歪視)、大きく見えたり(大視症)、視力が低下します。

現在のところ、この物理的な牽引をお薬で溶かすことは残念ながらできません。硝子体手術で膜を取り除きます。
最近は小切開硝子体手術の浸透により安全な日帰り手術で治療が可能になっています。

当院の黄斑前膜手術の目安

大まかに下記のうちいずれかを認めたら黄斑前膜手術を受けることをお勧めしています。

  1. 歪視症(ゆがみ)が明らかで、それにより視力低下ないし見え方の悪化が起こっている場合
  2. 黄斑前膜の牽引により、黄斑のくぼみが消失している場合

手術の結果として期待できること

ほとんどの症例は手術により視力が改善しますが、改善の程度は個人差があります。手術前の視力が良いほど手術により比較的速やかに良好な視力を得ることができます。
一部術前の視力障害が強く、硝子体の変性が強い場合は視力の回復が困難なこともありますが、一般に「視力」と「見え方」は異なることが多く、視力が改善しなくとも自覚症状の改善が見込まれます。

術後半年から一年かけて、黄斑の皺や肥厚が減るにつれて、ゆがんで見える症状はよくなりますが、逆に肥厚が強いと術後1年経っても元の厚みにはもどらず、黄斑のくぼみも回復しないことが多く、このためか変視症が残ります。

故に、手術前の黄斑の肥厚が軽度なほど、要するに手術前の視力が良好なほど、術後のゆがみは解消されやすいといえます。

白内障手術との同時手術

おおむね50~60歳以上の方は、硝子体手術を受けた後に数年で白内障が進行し、早々に白内障手術が必要になってしまいます。
基本的には白内障手術と硝子体手術を同時に行います。

もう少し若い年代の方の黄斑前膜(稀ですが)の場合は、よくよくお話した上で、ピントを合わせる力が十分にある水晶体を温存して硝子体手術だけを行うこともあります。

手術の実際

Step1白内障手術(必要な場合)

 約5分程度で終了します。

Step2硝子体手術 約30分~40分

まるで内視鏡手術のように、角膜から3.5 mm離れた強膜に、基本3カ所治療用の0.5mm程度の小さな孔を開け器具の出し入れの出入り口を設置します。

これを設置することにより、出入り口がない昔ながらの手術で起こっていた、硝子体の強膜への貫入に起因する、眼内炎や網膜剥離などの合併症が激減いたしました。

硝子体切除

硝子体を可能な限り切除して、後の操作の邪魔にならないようにします。
当院では開院当初から、世界最高峰の卓越した光学系と視認性を兼ね備えた「眼底観察システムResight」を導入しております。

広角眼底観察システムは最新の眼科手術装置で、例えると従来の手術が真っ暗な眼底の中をロウソクを持って歩く、見えづらく、心細いような状態から、強力な広角LEDライトで周辺部すべてを見渡しながら余裕を持って歩ける手術へ進化しました。

上記の独自の光学システムにより、安全に高画質画像が得られ診断の質が上がり、また、手術の治療時間が短くなったため患者さんの負担を軽減することができるようになりました。

黄斑前膜

黄斑部の網膜表面に張っている膜を細いピンセットで丁寧に剥離して除去します。

Step3手術の終了

役目を果たした出入り口を取り出します。
殆どの症例で黄斑前膜の場合は、自己閉鎖しますので、縫う必要はありません。

手術時間と日帰り手術

硝子体手術単独で約30分、白内障との同時手術で約40分です。痛みは個人差がありますが、強い痛みを訴える患者さんはほとんどいません。
術後は、定期的診察、点眼(抗生剤と抗炎症薬)、生活指導(当院看護師さんが指導いたします)を励行します。

黄斑前膜(硝子体)手術の合併症

網膜裂孔

硝子体手術の技術と機械の進歩のお陰で激減しましたが、硝子体を切除しているときに、網膜の弱いところが破れることです(網膜裂孔と言います)。
当院では術前の診察を時間をかけて行い、網膜の弱いところ(例えば格子状変性など)が存在する場合、剥離しないように、術前にレーザー光凝固で固めてから手術することもあります。
万が一起こった場合には、裂孔のまわりを術中レーザー光凝固で固めます。
術中に網膜剥離を生じたら眼内に空気を注入して空気でおさえつけることもあります。
(この場合、数日のうつ伏せが必要になる場合がまれにございます)

 駆出性出血

術中に発生する急激な眼内の出血(脈絡膜という網膜の土台からの出血)です。
最近の小切開硝子体手術になり、ほとんど見なくなりました。
駆逐性出血が起こると、もたもたしていると眼内の構造物がすべて外に出てきてしまいます。
即座に創を閉じることに全力を尽くして、シリコンオイルを注入して眼底を抑えます。

術後眼内炎

硝子体手術に限らず、 眼内の手術に共通する問題です。確率は3000人に一人とも5000人に一人とも言われておりますが、最近の硝子体手術は創口が小さくなり感染のリスクは減りました。当院では感染を起こさないために、HEPAフィルター付きの清潔な手術室に加え、プロトコールに則った手洗い・ガウンテクニック・清潔操作・手術中の術野への定期的な消毒薬の投与をおこなっております。

内眼手術後、術後3日目以降の急な目の痛み、白目の充血の悪化があればすぐに眼内炎を疑い、治療薬の投与並びに硝子体手術を検討いたします。

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